Disclaimer: The Reuters news staff had no role in the production of this content. It was created by Reuters Plus, the brand marketing studio of Reuters. To work with Reuters Plus, contact us here.
企業内弁護士は10年で3倍に。多様化する法務部門の役割
本社がHSコードマスターのデータベースを一元管理へ
自由貿易は過去に例を見ない貿易の拡大と世界経済の発展をもたらしてきたが、2017年1月にアメリカで1期目のトランプ政権が誕生して以来、風向きは大きく変わってきた。2025年1月に2期目のトランプ政権が始動したが、貿易や関税に関しての発言が相次ぎ、世界中にさまざまな影響を与えようとしている。
特に注目されているのが、トランプ氏による関税政策の発動だ。国家の重要な財政源のひとつである関税には、輸入する対象物の品目を分類して当てはめる 「物品の定義」が不可欠である。HSコードは、世界税関機構 (WCO)が策定した貿易で取引される商品を区分するための国際的な分類番号として現在200以上の国と地域で使用されており、これらを用いて正しい関税率を適用しないと多大なコンプライアンス・リスクが伴う。
そうした複雑な品目分類に対応すべく、世界に60か所以上、輸出入を行う拠点を持つ、日本を代表するグローバル企業の一つであるオムロン株式会社は、トムソン・ロイター株式会社が提供する ONESOURCE Global Trade - Global Classification(以下、ONESOURCE Global Classification)を導入した。このサービスは、複数国間での輸出入をシームレスに実施するために必要なHSコードの一元管理が可能なもので、導入の狙いや背景をオムロンと、トムソン・ロイターの担当者に聞いた。 対談出席者
<オムロン株式会社>
グローバル購買・品質・物流本部 物流統轄室 関税マネジメント部長 経営基幹職
丸本 一平氏
物流統轄室 関税マネジメント部 関税コンプライアンスグループ
アシスタントマネージャー HSコード最適化プログラム チームリーダ
ラウノ・ギッフォアン氏
<トムソン・ロイター株式会社>
ソリューション営業本部 コンサルティング部 部長
森下 馨
ソリューション営業本部 グローバルトレード営業部 シニアビジネスデベロップメントマネージャー
関口 賢
*本文中の各企業名は、オムロン・TRと表記しています。
オムロン・ラウノ氏:ある製品のHSコードは、それぞれの輸入国・地域で判定されるため、同じ商品でも異なる分類がされることがあります。私たちオムロンにはグローバルに60以上の輸出入を行う拠点があり、これまではそれぞれの拠点が個別にエクセルシートなどによりHSコードマスターを管理していたため、各拠点の設定したHSコードを本社で一元的に把握することは困難でした。
オムロンでは過去にHSコードの判定に起因する追徴課税やペナルティを課されたことがあり、関税法遵守の観点からHSコードの管理を一元的に行い、リスクを低減する必要があると考えました。
世界的な貿易の環境が激変する中で、HSコードの分類にはいくつかの課題があると言われていますが、オムロンにはどのような課題がありましたか?
豊富なナレッジ・過去案件の活用で、より効率的な人材育成を実現
オムロン株式会社 グローバル購買・品質・物流本部物流統轄室 関税マネジメント部長経営基幹職 丸本 一平氏
HSコードの管理を一元化へ
グローバル企業・オムロンが導入した ONESOURCE Global Classification
The Reuters news staff had no role in the production of this content. It was created by Reuters Plus, the brand marketing studio of Reuters.
PRODUCED BY REUTERS PLUS FOR
教材としてナレッジや過去案件をデータベース化しておくことは、やる気のある若手人材を採用・教育するために不可欠な要素
ビジネスの変化や、会社の成長、組織の変更に沿った形でカスタマイズや更新がしやすいソリューションを導入できるかどうかがカギ
第1部
物流統轄室 関税マネジメント部 関税コンプライアンスグループ
アシスタントマネージャー HSコード最適化プログラム チームリーダ ラウノ・ギッフォアン氏
オムロンさんが導入した ONESOURCE Global Classification はどのような製品なのでしょうか?
TR・森下:複数国間での輸出入をシームレスに実施するための、品目分類データの一元管理が可能な品目マスターです。自動化された品目分類で一貫性、正確性を保ち、正確な製品分類を実現、コンプライアンス強化を促進するものです。
HSコードの分類に起因するトラブルにはどのようなものがありましたか?
オムロン・ラウノ氏:幅広い製品やサービスを提供している企業ではどこでも直面することだと思いますが、例えば、産業用途に使われる電子機器や電子部品は、分類そのものが難しく解釈の余地がたくさんあります。
そのため、本社としてこの製品はこのHSコードであるという方針とその論拠を文書化し、ONESOURCE Global Classificationで各輸入拠点が閲覧できるようにしました。 そうすることで、各輸入拠点は本社のHSコード方針を理解した上で、HSコードを決定することができます。
貿易コンプライアンスは輸出入に欠かせないもの
第2部
オムロン株式会社 グローバル購買・品質・物流本部 物流統轄室 関税マネジメント部長 経営基幹職
丸本 一平氏
オムロン株式会社 グローバル購買・品質・物流本部 物流統轄室 関税マネジメント部長 経営基幹職
丸本 一平氏
オムロン・丸本氏:当社では、コーポレートシステムを大きく見直しているところで、ONESOURCE Global Classification が将来の基幹システムとつながることになります。今まではスタンドアローンで利用していましたので大きな転換点となります。この機会に、トムソン・ロイターさんと ONESOURCE Global Classification をより良く、使いやすいようにしていければと考えています。
オムロン・ラウノ氏:新たな基幹システムが、ONESOURCE Global Classification とつながり、業務プロセスに組み込まれることでより貿易コンプライアンスの強化につながると考えています。
オムロン・丸本氏:実は現在、安全保障貿易管理においてはトムソン・ロイターのサービスは利用していません。コーポレートシステムの見直しは、バラバラになっている仕組みを一元化するもので、大きなチャレンジだと思っています。その部分に協力いただくこともトムソン・ロイターさんに検討していただきたいですね。
ONESOURCE Global Classification にさらなる期待はありますか?
オムロン・ラウノ氏:顧客のために情報をフィルタリングし、本当に知っておくべき情報をシステムが通知してくれることを期待しています。
例えば、ある製品が何らかの規制変更の対象となっている場合、ユーザーは、システムにログインし、アクセスしてすべてを調べ、それから変更の有無を確認しなければなりません。また関税率表が変更された場合は、システムのコンテンツからメールが送られてきますが、その変更は、私たちが取り扱っている製品に関係するものなのか、あるいはそうでないのかはわかりません。そういう意味では、ただメールが送られて来ても、あまり価値はありません。何らかのフィルタリングができて、私たちがワークフローとして実行できるような情報が得られるようにしていただければと思います。
TR・関口:ラウノさんのご希望については、AIを活用する中で、対応できる可能性があるかなと考えています。
TR・森下:当社ではAIへの投資を積極的に進めています。AIそのものがかなりの速度で進化していますので、近いうちにご紹介できるタイミングが来ることを楽しみにしています。
トムソン・ロイターの ONESOURCE Global Trade とコーポレートシステムの結合
オムロンではシステムの見直しを進められていると伺っていますが ?
ソリューション営業本部 グローバルトレード営業部 シニアビジネスデベロップメントマネージャー 関口 賢
オムロン・ラウノ氏:まず日本の本社にHSコードに関する専門チームを設置した上でアメリカや中国などの地域本社に関税コンプライアンスのチームと連携し、各国におけるHSコードマスターを一元化、データベースを構築することにしました。
そのタイミングで、製品分類を一元化できるトムソン・ロイターの ONESOURCE Global Classification を導入することにしたのです。
本社がマスターのデータベースを管理、データを収集し、専門家がリスクの有無を明確にすることで、各拠点における分類の誤りへの対処ができ、リスクの低減につながりました。
具体的にはどのように対処されたのでしょうか?
そうした中で、ONESOURCE Global Classification の導入を決めた理由を教えてください。
オムロン・ラウノ氏: 前述した通り、ONESOURCE Global Classification という一元化データベース・プラットフォームを使用することで、国・地域をまたいで、本社の方針に沿ったHSコード管理が可能になります。
また、データベースがコンテンツモジュールに接続され、規制データや関税率表のデータに反映させること、そして、ある製品が様々な国でどのように分類されているかが簡単にマッピングできることも魅力でした。
さらに、該当する製品のHSコードをどのように決定したのかその理由や解説などの追加文書をデータベースに保存することができ、変更ログにより、いつだれがどの分類に変更したのかがわかることもポイントでした。
輸出入におけるコンプライアンス遵守は企業の責任であり、HSコードを正しく設定し、運用することは非常に重要と考えています。
トムソン・ロイター以外にも同様のサービスを提供しているところはありますが、価格競争力に優れていたこと、そして ONESOURCE Global Classification がアメリカでは非常に有名なサービスで、私たちも使用実績があったこと、そしてトムソン・ロイターさんならではの地域を超えたサポートも導入の決め手となりました。
ONESOURCE Global Classification の特長について、もう少し教えてください。
TR・森下:ONESOURCE Global Classification は、品目マスターなのですが、グローバルという共通情報の下に各国の情報をぶら下げて持っておけるという強みがあります。また、お客様に寄り添った形で準備させていただくことができるということも大きなポイントです。
さらに、各国のHSコードをまとめ、どこの国が何番に付番しているかという一覧も、グローバルビューという形で見ることができます。
HSコードは世界共通であるべきなのですが、ラウノさんもおっしゃったように、各国の判断や解釈によって変わってしまうことがあります。それをあらかじめ知ったうえで取引をしないと、想定以上の関税がかかってしまうというリスクがあります。
例えば、特定の国や地域の間で、物品の関税やサービス貿易の障壁等などを削減・撤廃することを目的とするFTA(Free Trade Agreement=自由貿易協定)を利用しようとする際には、正しいHSコードを使用することが重要ですが、輸入先・取引先のHSコード分類の解釈と違っている状態でFTAを使ってしまうリスクがあります。それを事前にチェックして判断できるというところも大きなポイントだと思っています。
トムソン・ロイターだからできるとこと
TR・森下:私たちは、ソリューションベンダーでありながら、コンテンツプロバイダーでもあります。HSコードはほぼ5年ごとに大きな変更がありますが、その情報を ONESOURCE Global Classification とつなぐことで、変化があった対象品目を洗い出すことができます。
TR・関口: お客様とお話をさせていただく中で知見を貯めて、セルフアップデートができているところも大きなことだと考えています。また、私たちはグローバル企業であることを強みに、日本の中だけでなく、グローバルの視点からしっかりと考えられる点も評価をいただいているところかなと思います。
TR・森下:私たちは、これまでも、お客様それぞれの異なる課題を解決してきた経験があります。お客様のご要望に寄り添った形でご提案できるのではないかと考えています。
また、日本は注目されている市場なので、日本のお客様の声を私たちの本部にフィードバックし製品に生かしやすい状態になっていることも強みであると思っています。
TR・関口:お客様からの率直なご意見は非常にありがたいので、私たちのサービスを使っていいただき、一緒に課題の解決をさせていただければと思っています。
トムソン・ロイターだからできるとことには、どんなことがあるのですか
トランプ政権下の貿易リスクに備えて
オムロン・ラウノ氏:各国が関税を使って政治的なコントロールを行うという傾向が強まっていて、この傾向は今後も続くと思います。新政権の発足からすぐ、政策の変更が発表されていますね。またアメリカの動きに大きな影響を受ける中国も、関税などを変更する可能性があります。
アメリカでは2期目となるトランプ政権がスタートしました。
オムロン・ラウノ氏:グローバル企業として、どの国がどの分類や関税率を使用しているかを理解し、こうした規制変更がどのような影響を及ぼすかを迅速に確認する必要があります。そして、それに基づいてすぐに対策を始めるか、少なくとも経営陣が今後起こり得る事態と、それに対する対応策について情報を得ている必要があると思います。そうすれば、影響度を把握し、対応策を立てることができます。
これは、私たちが実際に日常的に直面している問題で、アメリカや中国の地域本社の関税チームとは常にコミニケーションをしており。そして、それはすでに、私たちの事業運営や計画立案にも反映しています。
TR・森下:ONESOURCE Global Classification はまさにそうした変化に対応するソリューションだと考えています。関税率が変わると、コンテンツ側でもアップデートがすぐ行われて確認ができますし、何か特記事項があればその情報も提供しています。HSコードに関連する情報が更新された際、その情報を手入力することなく、システム側で検知し、自動アップデートが可能です。
この変化の時代にコンプライアンスをどう担保して安全にビジネスを進められるかというと、マスターデータがしっかりしていることが一番大きな価値だと考えています。必要な情報を整える下地は、私たちが作りますので、さまざまな変化への対応をサポートさせていただければと考えています。
TR・関口:お客様はそれぞれのお悩みをお持ちです。私たちはそれぞれの課題に対処する準備はできています。ぜひ躊躇せず、コンタクトしていただければと考えています。
オムロン様のようなグローバル企業はどのように対処すればいいのでしょうか?
トムソン・ロイター株式会社
ソリューション営業本部 コンサルティング部 部長 森下 馨
物流統轄室 関税マネジメント部 関税コンプライアンスグループ アシスタントマネージャー HSコード最適化プログラム チームリーダ
ラウノ・ギッフォアン氏
トムソン・ロイター株式会社ソリューション営業本部 コンサルティング部 部長 森下 馨
